静岡市、藤枝市から参加の14人がマイカー4台に分乗し、新東名、国道52号線を北上し、一路早川町へ。標高550mの赤沢宿は晴天で気温16℃。太陽光を浴びて、フクジュソウ(福寿草)の花が綺麗に開いている。
福を寿(ことほぐ)花として、地元の人が大切に育てている。
斜面の多くに黄色の花が咲く様子は、心が温まる。
春を告げる花の代表で、キンポウゲ科の花の特徴がよく観察できる。
春植物と言われ、スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)=「春の妖精」とも呼ばれる。
直訳すると「春のはかないもの」「春の短い命」というような意味らしい。
坂の多い赤沢宿には、
セツブンソウ(節分草)も群生している。
節分の頃に花を咲かせることからセツブンソウと名付けられた。
可憐な花は人気が高く、現在は環境破壊によって希少植物になっている。
ここ赤沢宿でも、小道を気を付けて歩かないと、踏んづけてしまいそうで怖いので、細心の注意を払い歩く。
フクジュソウとセツブンソウの〝ツーショット〟ぜいたくな斜面だ。
赤沢宿は、霊山・七面山の正面に位置する。クマタカ、ハイタカなどが頂上付近をときどき舞う。
七面山と身延山久遠寺を結ぶ参詣道を守る唯一の宿場町として栄えた。
最盛期の明治から昭和20年頃には「講」と呼ばれる信仰集団を中心に、1日に数千人もの人々が行き交ったそうだ。重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。
元 旅館の大黒屋の大正10年の講札。
早川町では和紙の原料となるミツマタを多く見かける。若者の住民は少ないようだ。
午後は鳥を求めて、南アルプス邑野鳥公園で探鳥。
餌台が設置されているため、小鳥たちが観察センターに多数集まる。アトリが4羽。
落花生を逆さ吊りで美味そうに食べるヤマガラ。
園内にはムササビの巣が設置されている。
ライブカメラの映像を見ると、母親と双子の子が2匹、計3匹が住んでいる。父親は子育てしないが、母子の血縁関係は強い…と学芸員さんの話。
目当てのヤマセミは観察する事が出来なかったが、立派なヤマセミ橋にオブジェがあった。
昼食は、そば処 武蔵屋で手打ちそば定食を満喫。注文すると、地元のお母さんたちが交代でそばを切る。野菜天ぷら、きび入りごはん、山椒の葉煮、野菜煮物などは素朴な味わいで美味かった。
予定していたシカ肉のジビエ料理は閉店中で食べることができなかったが、角を持った♂が店の前に鎮座していた。
石畳の急な坂に沿って昔ながらの建物が今も並ぶ赤沢宿。時折、地元の人が運転する軽トラックが細い山道を通る。暖かい日で、野鳥公園も含め、心が癒される探鳥会だった。