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2025年9月

ラインセンサス法で広大な農場を歩く!静岡大学農学部付属地域フィールド科学教育研究センター探鳥会⑦ 2025年9月26日(土)

静岡大学農学部の「雑草」でたくさん著書がある稲垣栄洋教授の研究室と一緒に行う「雑草植物と鳥に関する研究」のための探鳥会七回目。参加者は、4年の女子学生COさん、大学院博士課程に留学中のバングラデシュ人男子学生Gさん、そして野鳥の会静岡支部からMOさん、TAさん、KAさん・KSさん・TSの計7人で、9時から開始。

9月下旬なのに、予報気温30℃、晴れ。「ラインセンサス法」の探鳥会。この方法は調査するルートを最初に決めて、毎回同じルートを通って生き物を探す。同じルートを繰り返し調査することで、生き物の数、数の増減、季節や天気の変化などを詳しく調べることが出来る…というものです。片道650mのほぼ直線ルートを往復。じっくり、ゆったり観察するので時間がかかる。

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まず見つけたのは、アリスイ(蟻吸)。

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全長17.5cm。全身が灰色味のある茶褐色で、小さい波型の模様が沢山ある。

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キツツキの仲間だが、幹に垂直に止まることはせず、枝に一般の鳥のように止まる。

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個体数は多くなく、貴重だ。

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アリスイ(蟻吸)の名前のように、長い舌でアリを絡め捕る様子が、吸っているように見え、この名が付いたのだろう。

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体の大きさに対して「舌」が最も長い鳥。

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「クイクイクイ・・・」と聞こえる大きな声でさえずり、モズの高鳴きとのように大声だ。

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炎天下での観察だが、幸せな時間だった。

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続いては、田んぼの中に舞い降りて佇むダイサギ(大鷺)。

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モズ(百舌鳥)♂が、見通しの良い電線に止まり獲物を探す。縄張り争いをしている。

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ケリ()が、人間が近づくと飛翔して威嚇する。12羽確認できた。

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農場では、植物が実り、様々な花も観察できる。たわわなクリ(栗)の実。

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色づきつつあるカキ(柿)の実。

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ルコウソウ(縷紅草)。

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ヒガンバナ(彼岸花)曼珠沙華もたくさん。

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ツルボ(蔓穂)。

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ヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)。別名アメリカミズキンバイともいい、外来水草。

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ホシアサガオ(星朝顔)外来種。

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マキの実がたくさん熟していて、食すると美味しいそうだ。

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稲刈りの真っ最中だ。手前は刈られたばかり、真ん中は少し前に刈られてヒコバエが伸びているた田んぼ。一番向こう側はコンバインで稲刈りの最中。様々な色合いのグラデーションを見せる。

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見通しの良い場所で鳥が現れるのを待つ〝定点観察〟の「スポットセンサス」も行う。

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9時から11時で観察した鳥は、スズメ・キジバト・アリスイ・モズ・ハシボソガラス・ハシブトガラス・ツバメ・コシアカツバメ・ヒヨドリ・ムクドリ・ハクセキレイ・キセキレイ・カワラヒワ・ケリ・ダイサギ・コサギ 外来種:ドバト 計17

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これからも毎月、静岡大学農学部付属地域フィールド科学教育研究センター(藤枝農場)で探鳥会を行います。10月はどのような鳥が観察できるか楽しみだ。 

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エゾビタキなどを堪能!藤枝市蓮華寺池公園探鳥会 2025年9月20日(土)

菊川市から初参加の女性二人、マイ双眼鏡を首から下げる小学5年男子と父母は静岡市から。藤枝市、島田市、焼津市、菊川市、静岡市から19人が参集。曇り時々雨予報。

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歩き始めると、エゾビタキを発見。(撮影:藤本宏)

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お腹の模様が鮮やかだ。

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眼も愛らしい。

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池にはカルガモ。まだ換羽中のようだ。

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コガモの群れもやって来た。(撮影:藤本宏)

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繫茂するハス葉の上にコサギ。

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ここでカラスに登場してもらおう。人間には毒のヨウシュヤマゴボウの実を食べるハシブトガラス。

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スギの木のてっぺんには、ハシボソガラス。人間がお辞儀をするように、頭を動かしながら「ガア・ガア・ガア」と濁った感じで鳴く。

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次に同じ木ににやってきたのは、ハシブトガラス。澄んだ声だ「カー・カー」と鳴く。

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池にはハスが繫茂している。

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オニバスが花を咲かせている。

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花弁の中も美しい。

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白色スイレンの花は清楚だ。

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気温は22℃、少し前までと10℃位の温度差がある。時々小雨が降り、涼しい。

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山道を上り鳥を探すも、気配は薄い。

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トンボも少ない。シオカラトンボ。

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ヒガンバナ(曼珠沙華)が咲き始めた。

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サフランモドキのピンク色も鮮やかだ。

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ハギ類が繫茂している。在来種のヌスビトハギ。実が「昔の泥棒の足跡」に似ているため、この名前が付いた。(撮影:藤本宏)

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こちらは、外来種のアレチヌスビトハギ。今はこちらが席巻している。

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頂上まで登り、5~6世紀に造られた若王子(にゃくおうじ)古墳群から駿河湾や霞む伊豆半島を遠望する。

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植物の花はまだまだたくさん咲いている。ツリガネニンジン。

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クズの花。ある清涼飲料「・・・グレープ」の香りに似ている。

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クサギの花。アーモンドのような香りがする。

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センニンソウの花。奇麗だが、人間にも動物にも毒で、かぶれる。

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クワかヒメコウゾかわからないが、両方ともクワ科の樹木。

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オニグルミの実もたわわだ。

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観察した鳥は、カルガモ、コガモ、キジバト、コサギ、アオゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒヨドリ、メジロ、エゾビタキ、イソヒヨドリ、ハクセキレイ、イカル 外来種:ドバト 以上15種。

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次回の10月18日(土)はどのような鳥や自然が観察できるか、楽しみだ。

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オオメダイチドリ・ミユビシギなどを堪能!御前崎方面シギ・チドリ探鳥会 2025年9月7日(日)

台風15号の大きな被害で牧之原市などの家屋やビニールハウスが損壊していたり、停電で信号機が点灯していない中、地頭方港に集合したのは、渡りのシギ・チドリ類を久しぶりに見たい野鳥の会の〝熱心な?熟年古参会員〟など静岡市、藤枝市、島田市、御前崎市から男女13人。「熱中症警戒アラート」が発表され、天気予報は「晴れ・最高気温34℃」。海岸はかなりの風が吹き、暑いが絶好のバードウォッチング日和。まずは、大潮の地頭方港で観察するも鳥はいない。

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続いて、御前崎マリンパークで観察。

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皆さん、帽子・日傘の〝熱中症・日焼け対策〟万全だ。

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すぐに、メダイチドリとミユビシギを発見。メダイチドリ。

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ミユビシギ。

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沖にはミズナギドリSPが群舞している。大きい個体はオオミズナギドリか…。

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干潮の砂浜にカニの穴がたくさん。豊かな海なのだろう。

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ハマゴウが紫色の花を綺麗に付けている。

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風が強く、大潮とはいえ、鳥に近づくことがなかなかできず、観察は遠い。

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御前崎灯台西側の岩礁地帯に移り、観察。

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メダイチドリの群れ。Dscn6517

その中に、オオメダイチドリが一羽。メダイチドリより体長が2cm大きく、嘴が長く太い。

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観察した鳥は、メダイチドリ・ミユビシギ・キアシシギ・ウミネコ・オオミズナギドリ・ミズナギドリSP・アオサギ・コサギ・クロサギ・カラスSP・ツバメ・イソヒヨドリ・セッカ 計13種。

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帰途、焼津市で別のシギ、チドリ、サギ類を観察。アオアシシギ。

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セイタカシギ。

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サギの群れ。コサギ・チュウサギ・ダイサギ。皆さんは識別できますか? 筆者はできます。

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臨時例会 開催 2025年8月30日(土)

熱中症警戒アラートが連日発表されている中、静岡市、藤枝市、焼津市から熱心な18人が参加し、15〜17時、静岡県教育会館(静岡市葵区駿府町)にて開催された。

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朝倉俊治 副支部長が「フィールドでの探鳥会はもちろん楽しいが、涼しい会場でライチョウなどの最新情報を確認しよう」と挨拶。

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メインの堀田昌伸さん(長野県環境保全研究所)の講演「ライチョウの生息環境を定量的に調べる」。

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堀田さんは長野県から講演のために来てくれた。

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発信機GPSロガーは有用だが、もう一度捕獲して回収するのが大変だそうだ。堀田さんの隣でうたた寝するライチョウ成鳥雌。

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続いて、タカ渡り観察場所案内が、榊原博さんと近藤多美子さんにより紹介された。

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そして、写真「私が出会った記憶に残る渡りの一枚」「私の一押し猛禽写真」が披露された。

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佐野聡さんによるクマタカ。

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サシバ若鳥。

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クマタカ若鳥。

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川端隆史さんによる動画紹介。上条恒彦・木枯し紋次郎テーマ「だれかが風の中で」の歌にのせて、鷹渡りの素晴らしさを表現。『差羽が泣いた竜爪路』。

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凛々しいサシバ。

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カエルを捉えたサシバ。

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充実したあっという間の二時間の臨時例会の後は、二次会。昨年12月の望年会二次会から8ヶ月ぶり。

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明るいうちからの乾杯は最高! 12月の望年会が楽しみだ。
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