探鳥地案内

静岡県中部の探鳥地案内、 6.大井川野鳥園

大井川河口(大井川町側)には野鳥園があり、観察棟が設置されています。

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堤防には河口や海を見渡せる展望台も。

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堤防より河口を望む。海には冬はカモメ類。春にはミズナギドリ類等も。

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野鳥園前の堤防には、大井川町内の学生や一般の人たちの手によって描かれた壁画がある。

なかには、リアルすぎて、壁から抜け出しそうなものも。

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環境

南アルプスに源を発する大井川は185kmを蛇行しながら流れ下って駿河湾に注ぐ。河口の川幅は1kmあるが、河口部まで礫に覆われ、干潟はない。中州にはイネ科植物が繁茂しており、両側の川岸にはヤナギが部分的に生えている。その河口の左岸に池を掘り、周囲にフェンスをめぐらし、トベラ等の樹木を植栽した野鳥園がある。

季節

冬鳥のカモ類、カモメ類が渡来する冬が面白い。春や秋には、数は少ないがシギチドリ類が見られる。

野鳥

園内には、マガモ、カルガモ、コガモなどの淡水ガモ類が多い。河口部には淡水ガモ類とキンクロハジロ、ホシハジロなどの海ガモ類も見られる。また風の強い日には、野鳥園に非難してくる。猛禽類もオジロワシ、オオワシなどが年によって渡ってくるほか、ハヤブサ、ミサゴがほぼ毎年、越冬している。まれにチュウヒやコミミズクが飛んでくる。カモメ類はセグロカモメが多いが、シロカモメ、ワシカモメも混じることがある。サギ類は河口よりやや上流にアオサギが群れを作る。

春~初夏には沖合いにオオミズナギドリやアジサシが大群で飛んでいるのが見られる。

ただし、渇水期には河口、野鳥園とも水が枯れている場合があり、鳥が少ないことも。

交通手段

自家用車なら河口に近くまで行くことができる。バスの場合は、焼津駅より静鉄ジャストライン飯淵行き終点下車。かなり歩くので自家用車が適している。

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静岡県中部の探鳥地案内、 5.日本平動物園

⑤日本平動物園

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写真は下の池の様子。

環境

 静岡市と旧清水市の境にある有度山は、高さ307mの小高い丘陵で、広く日本平という呼び名で親しまれている。その日本平の静岡市からの登り口に日本平動物園があり。園内には池が2つあり、上の池は竹林と雑木林にかこまれ、下の池はまわりに道があり、よく見わたせる。

季節

 一年中楽しめるが、なかでも冬が観察にむいている。

野鳥

 上の池にはアオサギ、ゴイサギ、コサギがコロニー(巣)を作っている。秋にはコガモ、マガモ、カルガモ、ヒドリガモなど野生のカモが、冬を越すために翌年の3月ころまでやってくる。

交通手段

 静鉄ジャストライン動物園線で日本平動物園下車。

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静岡県中部の探鳥地案内、 4.賎機山

桜が満開の賎機山で、2008/03/30、お花見探鳥会を開催しました。
上記の記事もあわせて参照ください。

麓には浅間神社など8つの神社があります。

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煩悩と同じ108段あるという、通称「百段」。お急ぎの方はこちらを。

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交番側から入り左手にある階段がすぐ山道になり、探鳥にはこちらがおすすめ。

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環境

静岡市の中心部から北に位置する賤機山は、みかん畑や雑木林、杉林などが続く丘陵。安倍川沿いに奥の山々に続いており、市民から『おせんげんさん』と親しまれている浅間神社内から木々に囲まれたハイキングコースが竜爪山まで続く。(現在は第二東名の工事などにより、一旦鯨ヶ池で途切れるようです。)

季節

春、夏、秋はシジュウカラなど多くの小鳥たちが見られる。冬は葉が落ちてカラ類の群なども観察しやすい。野鳥観察には早朝がよい。

野鳥

シジュウカラ、メジロ、ホオジロはいつでも見られる。春と秋には渡りの途中のキビタキ、オオルリも。冬にはルリビタキやシロハラなども入る。

交通手段

静鉄ジャストライン安東循環線(中町まわり)、赤鳥居下車徒歩1分。その他安倍線などの赤鳥居バス停から徒歩3分。

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静岡県中部の探鳥地案内、 3.駿府公園

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環境

静岡市の中心部に位置する駿府公園は、元駿府城のあった場所で、官公庁などのビルが立ち並ぶ中にありますが、周りをお堀に囲まれ、一歩足を踏み入れると緑の多い公園になっています。特に外周の土手には樹木が多い。

季節

冬が鳥の種類も数も多く見られる。

野鳥

冬にはツバキの花にメジロやヒヨドリが集まる。芝生でえさをつつくツグミやムクドリも見られる。お堀を探せば、魚をねらうカワセミやゴイサギが見られるかも。

また、二の丸橋を出て県庁を越え、繁華街を通り七間町シネマ通りに行けば、静岡市の鳥ヒメアマツバメが見られます。

交通手段

JR静岡駅北口より、徒歩10分。

最寄バス停は、県庁葵区役所前。昼間には駿府浪漫バスが内堀まで入る。

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静岡県中部の探鳥地案内、 2.安倍川河口

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安倍川は山梨県との県境をなす大谷嶺にその源を発し流路延長50kmを経て駿河湾に注ぐ1級河川である。流域に占める山地面積は90%を超え、市街地を含む河口までの平野部の面積は約10%である。上流部の年間降水量は平均3200㎜、平野部で2000㎜、気候は平野部で年平均16度で冬季の日照時間も長い。

河口付近の植生はオギ・チガヤ等のイネ科植物やイバラ・ヨモギ類が多くヤナギ類は左右両岸にあるが特に右岸側によく発達した林がある。左右両岸ともコンクリートで護岸され、土手はクロマツの並木となっている。

環境

河口部は砂浜、中洲、アシ原、ヤナギなどで、干潟はほとんどない。

季節

主に冬、春と秋の渡り鳥のシーズンにも多くの野鳥が見られる。

野鳥

年間を通じてアオサギ、ヒバリ、カワラヒワ、トビなどが生息。春と秋には、ムナグロ、コチドリ、キョウジョシギ、キアシシギなどのシギチドリ類が観察できます。冬には、カワウ、ウミウのほかコガモ、オカヨシガモ、オナガガモなどのカモ類とユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメなどのカモメ類も多数越冬。ミサゴ、ハヤブサなどのワシタカの仲間も出現する。

また、河口で安倍川と合流する丸子川河口では、冬にはカモ類やユリカモメ、カワセミなど、川沿いのサザンカにはメジロが来る。

交通手段

静岡市街地から安倍川方面へ車で20分。

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静岡県中部の探鳥地案内、 1.麻機遊水地

麻 機 定 例 探 鳥 会 、毎 月 開 催 中 !

探鳥会は毎月第四日曜日の午前9時30分より行われており、会員だけに限らず、誰でも気軽に参加できる、肩のこらない観察会としております。2009年10月までに253回の実績があります。一般の方も参加歓迎。(参加費:保険代として100円) 鳥の名前や習性などを学習できます。

ご希望の方は直接現地にお出かけください。

また、一般公募探鳥会も開催されます。

(アクセス)
車 :柳の道から入ってください。案内人が入口に立ちます。
バス:しずてつジャストラインバス・「麻機」、「麻機北」行、「草場」下車徒歩7分。

現在は従来の集合場所が工事中の為、
下図の、サッカーグランド横を集合場所としています。

(クリックで地図サイトへ。周辺の地図も表示可能。)

次回の探鳥会予定 『麻機定例探鳥会案内』

今までの探鳥会の記録  『麻機定例探鳥会の記録』 (2006年12月データまで掲載)

2001年冬の麻機遊水地、芝原の池・平柳の池全景(現在は工事中の部分あり)

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環境

昭和49年の七夕豪雨の後に作られた、洪水対策の多目的遊水地。

アシやヒシ、ガマ、ヤナギなどの湿地植物も多く見られる。

季節

一年中楽しめる。特に秋から冬に多くの野鳥がやってくる。

よく見られる野鳥など

ケリ、カルガモ、サギ類、バンなどはいつも見られる。夏はコチドリ、オオヨシキリ、コアジサシが観察でき、冬にはマガモ、コガモ、ヒドリガモ等、1,000羽ものカモ、オオバンなどもやってくる。また、ノスリやチョウゲンボウ、ミサゴなどタカのなかまもいる。夏~秋には多くのトンボも観察できる。また、ミズアオイ、タコノアシ、ガマなどの湿地植物も見られる。

概要

『静岡市中心地から北へ約5Km程郊外にある麻機遊水地では、1983年より野鳥の観察・記録が行われるようになり、これ迄に200種の野鳥が観察されています。(2001年10月現在 日本野鳥の会 静岡支部調べ)

静岡市の郊外にある麻機遊水地は、浅間山南端をかなめとした安倍川扇状地と、東北部山地との間にできた低湿地で、昔は4km四方もあり、沼の水は巴川の水源となっていた。このあたりの低い地形は、大雨の時にはしばしば冠水し、その被害防止に、徳川時代から干拓が試みられ、上土・千代田・足洗といった地名は、沼の広さと開拓田の状況をしのばせる。この開拓に伴い水田や蓮田が増えていったが、沼字体は面積が減少し、70年頃には、沼は北のすみに孤立し、わずか300m四方位の葦原に、水面が数個点在する程になった。その後は、宅地化、静清流通センターの建設や、埋め立てによる工場建設など開発が進んでいった。その後1974年の七夕豪雨による浸水被害により、巴川の洪水防止対策として多目的遊水地に造成され、現在も工事は継続している。さらに、静岡へリポート、県立子供病院、さらに国一バイパスの開通、第二東名取り付け道路の工事など、環境は大きく変化している。

しかし、皮肉なことに遊水地造成により開水面が大きく増加し、野鳥のための島や植樹などにより、カモ類を始めとして、水鳥が増加してきた。そして、現在では静岡市近郊の数少ない探鳥地として、市民の格好の自然観察の場となっている。

現在の麻機沼は、遊水地部分では、アシなどの水生植物が繁茂している。周囲では、水田と少なくはなったが蓮田も。流通センター前の、通称野丈の池部分は、ハスも残っている。平柳の池・芝原の池では現在工事中であり、観察時は注意が必要。

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